2017.04.20 / 待ちに待ったダヤン砲!ドラゴンズ最下位脱出。
お久しぶりです、グラブです。ドラゴンズファンです。
2017年シーズンは「ビシエド選手にホームランが生まれたらブログを再開しよう」と決めていて、本来であれば開幕戦から再開できるものかと思いきや…チーム得点圏打率1割台という数字が象徴するように、かつてない全体的な打撃不振。そして、球団ワーストの開幕5連敗。
ビシエド選手のホームランはおろか、チームが勝つ姿すらをなかなか見る事が出来ない…2017年はドラゴンズにとって過去最低のスタートとなりました。
しかし、昨日4月20日。開幕から続いた長いトンネルの終わりを感じさせるような快音が、ようやくナゴヤドームに響き渡りました!
長い、本当に長かった…。待ちに待った第1号。昨年同様に、ビシエド選手の第1号はタイガースからでした。この日は今シーズン初の連勝、最下位脱出。そして祖父江選手のプロ初勝利に京田選手の活躍と、嬉しい事づくめ。これまで暗い話題ばかりだったドラゴンズに、ようやく明るい話題が出てきたように思います。
"強竜打線"復活のカギは、やっぱりビシエド&ゲレーロ!
自球団からの移籍問題に手を取られてしまい、今シーズンも大きな補強ができなかったドラゴンズ。2017年も打撃不振が予想され、案の定その通りになってしまっているのですが…この悪い流れを断ち切れるかどうかは、やはり2人の外国人選手が大きなカギになってくると考えています。
メジャー時代の写真ですが…2人とも目力凄いですねw
ゲレーロ選手の右手から優しさを感じるのは、私だけでしょうか。
そんな助っ人たちですが、大きな課題が2つあります。それさえ克服して頂ければ、活躍間違いなし(?)な予感がしているのですが…。
課題①:内角高め・高めの釣り球
双方ともに鋭いスイングが魅力的な強打者ではあるのですが、ゲレーロ選手の現在の不振に対して波留打撃コーチは「現状はインハイを攻められて、そこを気になってしまっている。他のコースを打てればいいんですけど…」と語っています。
これは昨年にビシエド選手が不振に陥った際に「インハイ若しくはシュート系の球に上手くやられてしまっている」と言われていたのと同じ状況です。
昨日4月20日のゲレーロ選手の打席を見てみても、、、
相手がコントロール型のピッチャーではない岩崎選手なので内角の厳しいボールはあまりありませんでしたが、全て直球で勝負された上に、フルカウントまで見極めてはいるものの、高めのボールに手が出て三振を喫しています。
高めの釣り球が有効になってきてしまうと、ストレートのみならず、高めのチェンジアップや真ん中に落ちるフォークなど、ピッチャーに勝負の選択肢を多く与えてしまいます。「苦手なコースが表面化してしまう」と言う事は、クリーンナップとしての役割を担って行く上で、何としても避けたいところです。
課題②:選球眼
ビシエド選手に対しては、昨年から「早打ち」傾向が問題視されており、特に後半戦は3球以内で終わってしまう打席も多く見られました。チャンスの場面で打席で丁寧に勝負できない事に対して「4番の自覚」という点でも厳しい意見が多くあがっていました。
一方でゲレーロ選手の方も選球眼には課題があり、通算の四死球率がなんと2.9%(平均は8%前後)と非常に低く、どうしても打ちに行ってしまう傾向があります。
ビシエド選手の昨日の凡退打席を見てみると、、、
しっかりと粘ったのは7回裏の第3打席のみで、後にホームランを記録した第4打席も初球打ちでした。パワーヒッターでありながら外野にまでボールが飛ばず、併殺打になってしまうような内野ゴロとしてしっかり処理されてしまっているのも気になります。
確かに甘いコースに反応しているので一概に「早打ち」とは言えないのですが、凡退している打席の多くが「シュート」「スライダー」と横に逃げるで仕留められており、やはりタイガースバッテリーには明確な対ビシエド戦略が敷かれていたのだと感じざるを得ません。
とにかく得点圏打率!
負けが続いていた時期に森監督が「いつも同じこと。塁上はにぎわすけど、なかなか1点が取れませんわな」と話しておられたように、とにかく今のドラゴンズに圧倒的に足りないのはチャンスをモノにする力です。
なかなか長打が生まれないという苦戦もありますが、4月20日時点でチーム盗塁数「12」は12球団中で3位。決して足に課題を抱えているチームではありません。投手陣も、ベテラン・若手を問わずフル稼働でなんとか守りを固めてくれています。
あとは得点圏でどれだけ打てるのか。チャンステーマを流れ損にしないこと、そうすればドラゴンズはまだまだ挽回できるはずです!
2016年シーズン終了後は、未曽有の「FA権獲得選手争奪戦」が勃発?
こんばんは、グラブです。ドラゴンズファンです。
全然更新できず…気が付けばクライマックスシリーズに進出するチームも決まってしまいました。我らが中日ドラゴンズは最下位になってしまうのでしょうか。それとも意地を見せることができるのか。
平田選手・大島選手の流出が囁かれる我らがドラゴンズですが、2016年シーズン終了後は例年以上に多くの注目選手がFA権を取得を予定しています。既に権利獲得済み選手を含めて未曽有の「FA権獲得選手争奪戦」が勃発する可能性があります。
移籍の話題が少なかった、2015年~2016年。
プロ野球はオフシーズンになると、ドラフトや移籍・トレードの話題が中心になります。しかし、2015年シーズン終了後~2016年シーズンは国内チーム間における「FA権の行使・トレード」が例年よりも少なく、新しい顔はルーキーもしくは助っ人外国人というチームがほとんどです。
このような状況において、広島東洋カープや北海道日本ハムファイターズのように、生え抜きの選手が活躍した場合は「育成が成功した」として讃えられます。しかし、思うような成績を残せなかったチームに浴びせられるのは「戦力補強をさぼった」という言葉。即戦力の獲得は必須課題として要求されてきます。
争奪戦が予想されるFA権獲得予定(済)選手たち。
2016年シーズン終了時点でFA権を獲得予定(済)は両リーグ合わせて100名以上存在していますが、その中で特に移籍争奪戦になりそうな選手を独断と偏見で抜粋してみました。
赤色:現在の年俸に不満でFA権行使?
青色:所属チームの成績不振に不満でFA権行使?
緑色:出場機会を求めてFA権行使?
黒色:その他
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【横浜】山口 俊 / 投 想定年俸・8,000万円
【ヤク】川端 慎吾 / 内 想定年俸・1億6,000万円
【ヤク】雄平 / 外 想定年俸・6,500万円
【中日】平田 良介 / 外 想定年俸・7,000万円
【中日】大島 洋平 / 外 想定年俸・9,000万円
【福岡】森福 允彦 / 投 想定年俸・1億2,000万円
【福岡】高谷 裕亮 / 補 想定年俸・3,400万円
【福岡】本多 雄一 / 内 想定年俸・1億8,000万円
【福岡】城所 龍磨 / 外 想定年俸・1,900万円
【福岡】長谷川 勇也 / 外 想定年俸・2億円
【西武】岸 孝之 / 投 想定年俸・2億2,500万円
【西武】炭谷 銀仁朗 / 補 想定年俸・1億円
【オリ】糸井 嘉男 / 外 想定年俸・2億8,000万円
【オリ】平野 佳寿 / 投 想定年俸・3億円
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この中でも特に注目されているのが、平田選手・大島選手・岸選手・糸井選手。4選手共に共通しているのが「所属チームが数年にわたって成績不振である」ということ。
さらに、2016年シーズン開始時に思うような年俸提示をされなかった平田選手・大島選手の不満は爆発寸前のはず。平田選手は既に代理人と契約して交渉を始めているようですが、今シーズンの成績を考えると微妙なところ(1億4,000万円を希望額として提示?)。ドラゴンズファンとしては、平田選手・大島選手ともに何とか残留の方向で進めてほしいのですが…。
糸井選手については既に複数の球団が調査に入っていると報道されていますし、岸選手はあの週刊文春が注目選手として名前を挙げているので、何かありそうです!(笑。
そして、個人的に気になるのが、山口俊選手。チームが初めてのクライマックスシリーズ出場という事もあり、残留の可能性もありますが…球団側の提示年俸によっては移籍も十分にありえると思います。
まだまだ熱い今年のプロ野球ですが、2016年はシーズンオフも注目です!
中日ドラゴンズのフロントの皆さん…急いで!!!
【8月29日】横浜DeNAベイスターズは3位の座を守ることができるのか?
こんばんは、グラブです。ドラゴンズファンです。
残念ながら我らが中日ドラゴンズの2016年シーズンは、最下位が濃厚です。しかし、シーズン残り25試合を切っても「混セ」は健在。熾烈な3位争いが繰り広げられています。
チーム史上初のクライマックスシリーズ進出を目指す横浜DeNAベイスターズが現在3位。しかし、昨年王者の東京ヤクルトスワローズ、若虎の活躍で急激な追い上げを見せている阪神タイガースの2チームが追随。
このまま横浜DeNAベイスターズが3位の座を守るのか。それとも追随する2チームがこの椅子を奪い取るのか。最近の状況と残り試合の関係などから、2016年シーズン最後の「混セ」の行方を予想してみます。
3チームの8月の成績と、チーム状況について
横浜DeNAベイスターズ
今シーズンはスタートこそ出遅れましたが、5月以降は安定した成績を残して3位の座を守ってきた横浜DeNAベイスターズ。しかし、8月に入ってからの勝敗数は「9勝13敗(リーグ5位)」と低迷しており、下位2チームの追随を許す形となっています。
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○ポジティブ要素
・打撃陣:7月からの好調を維持。7月以降、無得点は僅かに2試合のみ!
・投手陣:安定した先発ローテーション。先発投手に怪我人なし。
×ネガティブ要素
・打撃陣:ホーム打率.264 / ビジター打率.233で、ビジターに弱い。
・投手陣:絶対的クローザー・山崎康晃選手の失点が目立つ。
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チーム本塁打の約3分の1を占め、打率.317と引き続き好調の筒香選手を中心に、強力なクリーンナップが顔を連ねる打撃陣。しかし、残り22試合のうち15試合がビジターという状況の中でホーム以外では打率が極端に下がる傾向がある点は心配です。しかし一方で、チーム防御率に目を向けてみると【ホーム4.12 / ビジター3.37】という成績を残しており、投手陣はビジターゲームを得意とする傾向があります。
残り22試合は接戦が予想される横浜DeNAベイスターズ。打率が低くなる傾向のある打撃陣が「いかにチャンスをモノにできるか」がポイントになってきそうです。
東京ヤクルトスワローズ
防御率は12球団最下位。「攻撃は最大の防御」として君臨していた強力打線も、7月から主軸選手(山田選手・川端選手・畠山選手)が次々と怪我で離脱。昨年のセ・リーグ覇者に暗雲が立ち込めていましたが…昨年同様に夏場に強い東京ヤクルトスワローズ。8月は「14勝8敗(リーグ2位)」と調子を伸ばしてきています。
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○ポジティブ要素
・打撃陣:直近5試合で平均打率.350以上を記録しているクリーンナップ。
・投手陣:先発陣に復調の兆し。8月の先発陣防御率は3.30(リーグ3位)。
×ネガティブ要素
・打撃陣:6番以降の下位打線での得点が期待できない。
・投手陣:中継ぎ/抑えの防御率が低迷。平均防御率が4.72で12球団最下位。
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東京ヤクルトスワローズの魅力は、やはり強力な打撃陣。川端選手・畠山選手を欠いた状態でありながら、荒木選手・鵜久森選手と言った伏兵の活躍が目覚ましく、高い得点力を維持。そして、山田選手が怪我から復帰した8月24日以降は負けなしの5連勝。3位の横浜DeNAベイスターズを猛追しています。
東京ヤクルトスワローズの課題は投手陣。先発陣の復調はチームにとって大きなプラスとなっていますが、問題は救援陣。秋吉選手・ルーキ選手以外の中継ぎ陣の防御率が軒並み3.50以上。「中継ぎ陣の成績」が順位を左右する事になりそうです。
阪神タイガース
得点圏打率.384でリーグ1位(8月29日時点)の髙山選手をはじめとし、若手選手の活躍で調子を伸ばしてきた阪神タイガース。チーム打率は低迷しながらも、好調な中継ぎ陣に支えられ接戦をモノにしています。8月の成績は「11勝12敗(リーグ4位)」とまずまず。したたかに上位の座を狙っています。
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○ポジティブ要素
・打撃陣:髙山選手・北條選手・坂本選手といった若手選手の活躍。
・投手陣:前半戦と打って変わって好調な中継ぎ陣。
×ネガティブ要素
・打撃陣:チーム打率.245はリーグ5位。(再開は中日の.244)
・投手陣:中継ぎ/抑えで好成績であったドリス選手の急な離脱。
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昨年から顕在化している「チーム打率の低さ」という課題は継続していますが、接戦に強いのが阪神タイガース。クローザーとして活躍していたドリス選手の離脱は大きなマイナスではありましたが、マテオ選手・藤川選手・松田選手といった好調な中継ぎ陣が少ないリードを守り、チームを勝利に導きます。
ホーム(.246)・ビジター(.244)で好不調の波が大きいわけではないですが、いずれにしても打てていません。今シーズンも阪神タイガースの課題は「いかに得点を生み出すことができるか」に集約されます。
3チームの「残り試合」シミュレーション。
3位争いを繰り広げている3チームの残りゲームに対して、単純計算で現在の勝率を掛けあわせてシミュレーションを立ててみました。勝ち負けのバランスがどちらかに偏った場合などは、数式をそのまま反映せずにバランスを取っている部分がありますので、あくまで参考値です。
横浜DeNAベイスターズ
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対広島:現在10勝10敗0分⇒勝率.500 / 残り5試合⇒2勝2敗1分け
対巨人:現在12勝10敗1分⇒勝率.545 / 残り2試合⇒1勝1敗
対ヤク:現在11勝07敗0分⇒勝率.611 / 残り7試合⇒4勝3敗
対阪神:現在05勝13敗1分⇒勝率.263 / 残り6試合⇒2勝4敗
対中日:現在12勝10敗1分⇒勝率.545 / 残り2試合⇒1勝1敗
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合計 :10勝11敗1分
東京ヤクルトスワローズ
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対広島:現在07勝13敗0分⇒勝率.350 / 残り5試合⇒2勝3敗
対巨人:現在09勝11敗0分⇒勝率.450 / 残り4試合⇒2勝2敗
対横浜:現在05勝13敗1分⇒勝率.263 / 残り6試合⇒2勝4敗
対阪神:現在11勝10敗1分⇒勝率.523 / 残り3試合⇒2勝1敗
対中日:現在16勝08敗0分⇒勝率.666 / 残り1試合⇒1勝
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合計 :10勝10敗
阪神タイガース
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対広島:現在06勝17敗0分⇒勝率.260 / 残り2試合⇒0勝2敗
対巨人:現在06勝12敗1分⇒勝率.333 / 残り5試合⇒2勝3敗
対横浜:現在11勝07敗0分⇒勝率.612 / 残り6試合⇒4勝2敗
対ヤク:現在10勝11敗1分⇒勝率.477 / 残り3試合⇒1勝2敗
対中日:現在12勝09敗0分⇒勝率.571 / 残り4試合⇒3勝1敗
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合計 :10勝10敗
現在の勝率状況を掛けあわせてみると、残り試合は各チームともほぼ互角の成績を残すことになります。すると、現在の「3.5」というゲーム差は埋まらず…3位は横浜DeNAベイスターズになるという計算になります。
このまま横浜DeNAベイスターズが3位をキープ?
シミュレーション上では横浜DeNAベイスターズが3位をキープする見込みですが、おそらく現実はもっと複雑です(当然)。残り試合における各チームの相性やこれまでの傾向を見てみると、いくつかポイントが見えてきます。
横浜DeNAベイスターズ
横浜DeNAベイスターズは、苦手としている阪神タイガースとの残り試合すべてが甲子園球場でのゲーム。ビジターを苦手としている打撃陣は奮起する事ができるのか。逆に阪神タイガースとしては、ここで勝ちを重ねたいところです。また、東京ヤクルトスワローズとの直接対決も7試合控えています。
東京ヤクルトスワローズ
好調の東京ヤクルトスワローズは、首位広島東洋カープと5試合を残しており、ここ最近3連敗を喫している競合からどれだけ勝ちを奪う事が出来るのかがポイントになりそうです。2015年同様に後半戦からスパートがかかれば、ここからの追い上げが十分期待できます。
阪神タイガース
苦手とする読売ジャイアンツ戦が残り5試合。全て甲子園球場、ホームでの試合になるのですが…実は今シーズンの阪神タイガースは1度として甲子園球場で読売ジャイアンツに勝てていません。この山場を乗り越えることが出来るかどうかが順位を左右する事は、間違いありません。
3チームの成績が横並びで、シミュレーション上も成績が変わらないだけに、この3位争いは最後までもつれることが想定されます。しかも、この3チーム間での直接対決が多く残っている点も面白いです。「混セ」はまだまだ終わりません!
リオデジャネイロでも数々のドラマを生んだ「3位決定戦」ですが、今年はプロ野球でもドラマが生まれそうな予感がしています。
2016年シーズンも残り約30試合。新人王に輝くのは誰だ!?
こんにちは、グラブです。ドラゴンズファンです。
2016年のプロ野球も残り約30試合。開幕前は長いように感じたシーズンも残すところ約4分の1程度、いよいよ終盤戦に突入します。
例年以上の高い注目が集まっていた2015年のドラフト会議。期待の新人選手が多く入団し、どの選手が「新人王」の栄冠を掴むのかについて、シーズン前から様々な議論が行われてきました。
このブログでも交流戦終了時点での成績を基に新人王について取り上げていますが、果たして現時点ではどうなのか。改めて調べてみました。
▼新人王の資格を持つ選手とは?
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・海外のプロ野球リーグに参加した経験がない
・初めて支配下登録を受けてから5年以内
・前年までの出場が ⇒ 30イニング以内(投手) / 60打席以内(野手)
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選手生活の中で、獲得のチャンスは1度きり。90年以上に及ぶプロ野球の歴史の中では、過去にプロ入り2年目以上の選手が新人王を獲得した事もあります(セ・パ合わせて22回)が、ほとんどの場合において「プロ入り1年目」の、いわゆるルーキーと呼ばれる選手が選出されています。
セ・リーグの新人王候補はズバリ、髙山俊選手!
交流戦終了時点では「髙山選手(阪神)・今永選手(横浜)」による一騎打ちが繰り広げられていたセ・リーグの新人王争い。交流戦明けからは岡田選手(広島)・戸柱選手(横浜)などの活躍も目立つようになり、順位争い同様に混戦ムードが漂っていました。
しかし、8月22日終了時点で(完全に個人の見解ですが)新人王候補は3人に絞られてきており、中でも阪神タイガースのレフトとしてレギュラーに定着している髙山俊選手が頭一つ抜け出しています。
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阪神・(外)髙山 俊 :107試合(412打席) / 打率.268 / 本塁打4 / 出塁率.302
横浜・(投)今永 昇太 :17試合(104イニング) / 防御率2.94 / 6勝8敗
広島・(投)岡田 明丈 :14試合(79 1/3イニング) / 防御率3.40 / 3勝3敗
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基本となる数値だけを見ると髙山選手が決して突出して良い数字ではないのですが、1年目ながら100安打以上(現時点で104安打)を記録していることや、得点圏打率.372(現時点でリーグ3位)という勝負強さは評価点。他の1年目打者、2年目以上の新人王有資格者と比較しても大きな強みです。
今永選手の防御率2.94という数字はリーグ6位の好成績ですが、投球回が規定回に乗っていないため暫定順位。また、2015年にはパ・リーグで有原航平選手が防御率4.79という成績ながら新人王を受賞していますが、8勝6敗と勝ち越しての受賞。新人王の歴史を30年以上さかのぼっても、先発起用の選手が負け越して受賞したというケースは僅かに2回のみなので、苦しいのではないでしょうか。
広島東洋カープの岡田選手も健闘しましたが、上位2名には及ばず。セ・リーグの新人王争いはシーズン前から多くの方が言われていた通り、共に「大学No.1」と言われた髙山選手・今永選手の一騎打ちとなりました。
パ・リーグの新人王候補は、3年目・高梨裕稔選手?
2015年の甲子園でスターとなった選手が多く入団したパ・リーグですが、球団によって1年目選手の起用方針に大きな違いがありました。
Aクラスに顔を並べる強豪チームほど1年目選手の起用に消極的。特に、高卒選手ばかりを指名して話題となった福岡ソフトバンクホークスは、2015年のドラフトで獲得した選手を現時点で1人として1軍に昇格させていません。
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楽天・(内)茂木 栄五郎 :83試合(334打席) / 打率.271 / 本塁打1 / 出塁率.320
ハム・(投)加藤 貴之 :25試合(63 1/3イニング) / 防御率2.84 / 5勝1敗
オリ・(外)吉田 正尚 :30試合(114打席) / 打率.283 / 本塁打1 / 出塁率.333
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こちらもセ・リーグ同様に3人まで候補は絞られ、引き続き茂木選手が有力。ルーキーながらチームの打撃陣の中軸として活躍しています。 そして、次点で加藤貴之選手。7月以降は負けなしの4連勝。特に福岡ソフトバンクホークスとの相性が良く、チームの追い上げに貢献しています。
しかし、茂木選手はシーズン途中での怪我での離脱が響き、加藤選手はシーズン序盤での登板機会の少なさが影響し、パ・リーグは1年目選手の新人王獲得は難しいかもしれません。
ズバリ、今シーズンのパ・リーグの新人王候補は北海道日本ハムファイターズの高梨裕稔選手ではないかと予想しています。
高梨選手は、2013年のドラフト4位で北海道日本ハムファイターズに入団。今年でプロ入り3年目を迎えます。2014年は登板機会なし、2015年は僅か「2試合:7 1/3イニング」の登板に終わり、推定年俸は770万円。しかし、今シーズンは序盤から中継ぎとして起用され登板回数を増やし、6月からは先発に転向。シーズン後半からはリーグ屈指の「鷹キラー」となり、対ソフトバンクホークス戦では3勝0敗と絶好調です。
▼高梨裕稔選手 / 8月22日時点の成績
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32試合(81 2/3) / 防御率1.65 / 7勝2敗 / 被安打率.172 / 奪三振65
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規定回数には到達していませんが、先発に転向して以降は負けなしの6連勝。8月13日の東北楽天イーグルス戦では完封勝利も記録しています。被安打率も非常に低く、安定した成績。現在の北海道日本ハムファイターズの快進撃を支える1人に成長しています。3年目の選手が新人王を受賞したのは2009年の松本哲也選手以降ありませんが(歴代では6回)、この成績なら期待できるのではないでしょうか。
1年目ルーキーの受賞になるのか、それとも3年目・高梨選手がその前に立ちはだかるのか。パ・リーグの新人王争いは、まだまだ勝負の行方がわかりません。
2016年の「ドラフト1位」は活躍したか?
高橋純平選手の3球団競合を初め、多くの注目選手が入団した2015年のドラフト会議。セ・リーグでは阪神タイガースが1位指名を行った髙山俊選手が期待通り(ファンの方からすると物足りないかもしれませんが)の活躍を見せていますが、パ・リーグの新人王候補である茂木栄五郎選手は東北楽天ゴールデンイーグルスの3位指名。
必ずしもドラフト1位の選手が活躍するというわけではないですが…各球団の「ドラフト1位・12人」はどのような成績を残しているのか、8月22日終了時点の成績をもとに確認してみます。
▼ドラフト1位選手の成績 / 8月22日終了時点
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広島・(投)岡田 明丈 :14試合(79 1/3イニング) / 防御率3.40 / 3勝3敗
巨人・(投)桜井 俊貴 :1試合(4 1/3イニング) / 防御率8.31 / 0勝1敗
横浜・(投)今永 昇太 :17試合(104イニング) / 防御率2.94 / 6勝8敗
阪神・(外)髙山 俊 :107試合(412打席) / 打率.268 / 本塁打4 / 出塁率.302
ヤク・(投)原 樹理 :13試合(67イニング) / 防御率5.91 / 2勝8敗
中日・(投)小笠原 慎之介:10試合(40 2/3イニング) / 防御率4.20 / 0勝5敗
福岡・(投)髙橋 純平 :一軍登板なし
ハム・(投)上原 健太 :一軍登板なし
千葉・(内)平沢 大河 :17試合(41打席) / 打率.171 / 本塁打0 / 出塁率.256
楽天・(外)オコエ 瑠偉 :51試合(130打席) / 打率.185 / 本塁打1 / 出塁率.233
西武・(投)多和田 真三郎:13試合(67イニング) / 防御率4.84 / 4勝5敗
オリ・(外)吉田 正尚 :30試合(114打席) / 打率.283 / 本塁打1 / 出塁率.333
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3球団競合となり注目されていた髙橋純平選手(福岡)が現時点で1軍登録がない事をはじめ、小笠原慎之介選手(中日)・平沢大河選手(千葉)・オコエ瑠偉(楽天)といった2015年の甲子園でスターとなった選手も苦しいシーズンが続いています。
全体的に大学生・社会人からプロ入りした選手が活躍。高卒から活躍する事がいかに難しいかというのを再認識させられたシーズンであったようにも思います。しかし、高卒ルーキーの面々も後半から徐々に調子を伸ばしているので、2年目からの活躍に期待したいです。
まだまだ暑い日が続きますが、気が付けばセミの声も聞こえなくなりました。終わりが近づくのは寂しいですが、今シーズンは順位・タイトル争いにまだまだ動きがありそうな混戦模様。山田選手・大谷選手に期待される大記録からも目が離せません。
中日ドラゴンズの次期監督もシーズン中に…決まってほしい!
【8月21日】6連勝で首位独走!広島東洋カープのリーグ優勝が見えてきた!
こんばんは、グラブです。ドラゴンズファンです。
顎関節症になってしまい口が1cm程度しか開かず…ウィダーインゼリーとスープで過ごし、動くと痛いのでどこにも行けないという悲しい土日を過ごしました。
メークドラマは消滅?広島東洋カープが6連勝!
パ・リーグでは福岡ソフトバンクホークスと北海道日本ハムファイターズの激しい首位争いが繰り広げられていますが、「混セ」と呼ばれていたのが懐かしいほどに、セ・リーグ側は既に順位が固まりつつあります。
▼2010年以降のセ・リーグ優勝チームの勝敗
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2015年 / ヤクルト:76勝 65敗 勝率.539
2014年 / 巨人 :82勝 61敗 勝率.573
2013年 / 巨人 :84勝 53敗 勝率.613
2012年 / 巨人 :86勝 43敗 勝率.667
2011年 / 中日 :75勝 59敗 勝率.560
2010年 / 中日 :79勝 62敗 勝率.560
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平均成績 :80勝 57敗 勝率.583
昨日終了時点の広島東洋カープの勝率は.611。この平均値のみを参考とするのであれば、現時点で「69勝44敗2分」という成績なので「15勝13敗」のペースで進めていけば優勝となります。現在6連勝中というチームの状況を考えれば、問題なくクリアできるペースであると考えられます。
シーズン前の段階では、前田健太選手のメジャー挑戦で大きく戦力を欠いたと言われていた広島東洋カープですが、チーム防御率3.40はリーグ2位。先発ローテーションを支える若手選手を中心に、投手陣の踏ん張りが光ります。
しかし、チームの好調を支えているのは「打撃力」です。8月21日次点での広島東洋カープの打撃成績は【打率.272(リーグ1位)・本塁打.118(リーグ1位)・盗塁.99(リーグ1位)】という状況。559得点で得失点差+141という数字は両リーグ合わせても1位という圧倒的な打撃力を誇ります。
▼広島東洋カープの打撃成績
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2015年 / 打率.247・本塁打.105・盗塁.80
2014年 / 打率.272・本塁打.153・盗塁.96
2013年 / 打率.248・本塁打.110・盗塁.112
2012年 / 打率.233・本塁打.76・盗塁.79
2011年 / 打率.245・本塁打.52・盗塁.65
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過去の成績と見比べてみても「過去最高」と言われていた2014年に肩を並べるレベル。この年は投手陣が振るわずリーグ2位となってしまいましたが、今年は投手陣が好調。現在の広島東洋カープには、セ・リーグ最高クラスの打撃陣が揃っていると言っても過言ではありません。
しかし、広島東洋カープが昨年行った野手の戦力補強は、中日ドラゴンズを退団したルナ選手を獲得した程度。ほとんどメンバーは変わりません。それでは、なぜこれほどまでに打撃陣が好調なのか。それにはコーチ陣による支えがありました。
基本の「素振り」を徹底した打撃指導。
2016年シーズンの広島東洋カープ内人事における1番の成功は、石井琢朗コーチの打撃コーチ就任と言われています。
現役時は球界屈指の遊撃手であり、その俊足が評価され、2015年までは守備・走塁コーチを努めていた石井琢朗コーチですが、2000本安打を記録、最多安打のタイトルも2度獲得したアベレージヒッターでもあります。
この石井琢朗コーチが、2015年に現役を引退し打撃コーチに就任した東出輝裕コーチと共に、キャンプから徹底してきたのが「素振り」です。2015年11月から始まった秋季キャンプでは、選手全員に対して1日800~1,000スイングを要求したと言われています。
そんな秋季キャンプでは、選手に対して厳しい要求を出した石井コーチが「選手にやらせる前に自分がやってみないと」と自らが、誰も顔を出していない朝7時過ぎのグランドで素振りをしていたという話は有名です。
球史に名を残してきた強打者たちも素振りを重要視してきたことに従い「素振りで始まり、素振りで終わる」を掲げて指導を行う石井コーチ。とことん基礎を追求した素振り練習はチーム全体の三振数を大きく減少させ、出塁率を向上。もともと機動力の高く盗塁が得意な広島東洋カープは、これまで以上に多くのチャンスを作ることが出来るようになっています。
福岡ソフトバンクホークスの藤井コーチもそうですが、やはり強いチームには強い指導陣がいます。(今年は不調ですが)東京ヤクルトスワローズ投手陣の活躍も、高津コーチの就任にあると言われています。
強いチームはバックグラウンドも強く、そしてファンの一体感も凄いですよね。それを考えると中日ドラゴンズは…フロントで揉め、チーム状況の悪化に伴いホームゲームでも空席が目立ち、、、考えると悲しくなるのでやめましょう。
【8月17日】8月の勝率はリーグ最下位。福岡ソフトバンクホークスが大ピンチ!
こんにちは、グラブです。ドラゴンズファンです。
谷繁監督の解任騒動以降、どんどんと歯車が噛み合わなくなっている中日ドラゴンズ。8月17日は本当に久しぶりの勝利。少しだけ安心しました。11カード連続の負け越しは何としても阻止すべく、今日の試合を勝利で飾ってほしいです。
福岡ソフトバンクホークスが「絶不調」
隙のない強力な打撃陣と、先発・中継ぎ・抑えの全ての役割において層の厚い投手陣。2015年に日本一に輝いた勢いそのままに、今シーズンも交流戦では歴代最高勝率で優勝、常にパ・リーグの先頭を走ってきた福岡ソフトバンクホークス。
しかし、7月から猛烈な追い上げを見せている北海道日本ハムファイターズとのゲーム差は、8月17日終了時点でついに「0.5」に。一時は10ゲーム以上の差をつけて突き放していたチームがすぐそこまで迫ってきています。
▼福岡ソフトバンクホークスの月別勝利数
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3・4月 :14勝08敗3分 / リーグ内勝率1位
5月 :18勝05敗1分 / リーグ内勝率1位
6月 :16勝06敗1分 / リーグ内勝率1位
7月 :11勝11敗0分 / リーグ内勝率3位
8月 :05勝08敗0分 / リーグ内勝率6位
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調子を落とし始めたのは7月。投手陣に大きな崩れは無いのですが、強い福岡ソフトバンクホークスの象徴でもあった「強力打線」が振るわなくなってきています。オールスター戦後のチーム打率はなんと.222。
交流戦で大活躍だった城所選手/今宮選手が成績を落とし始め、8月に入ってからは内川選手が腰痛の為スタメンから離脱。その他の選手も7月後半から調子を落とし始め、最近5試合の打率が.300以上の選手は福田秀平選手のみ。
特に城所選手の落ち込みは激しく、交流戦首位打者の面影はどこへやら。7月の月間打率は.083。8月も現時点で.111と非常に苦しい状態です。ゲンダイDIGITALというソースは微妙ですが…つらい記事を書かれています。
7月以降「鷹キラー」となった2つのチーム。
なぜ、福岡ソフトバンクホークスは勝てなくなったのか。なぜ、強力打線はなぜ打てなくなってしまったのか。そのヒントは、7月以降の対戦チーム別成績に如実に表れていました。
▼福岡ソフトバンクホークス:対戦チーム別の勝敗状況
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対ハム:【6月まで】5勝5敗0分 / 【7月以降】2勝6敗0分
対千葉:【6月まで】9勝4敗1分 / 【7月以降】5勝3敗0分
対楽天:【6月まで】8勝2敗1分 / 【7月以降】3勝2敗0分
対西武:【6月まで】5勝3敗1分 / 【7月以降】5勝2敗0分
対オリ:【6月まで】8勝1敗0分 / 【7月以降】3勝6敗0分
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7月以降のホークスは【北海道日本ハムファイターズ、オリックス・バファローズ】の2チームに対して大苦戦。首位チームのセオリーである「上位とは互角の勝負、下位チームから勝ちを奪う」形から一点、7月以降は「上位・下位にそれぞれ苦手チームを抱える」というリーグ3~4位のチームのような勝敗傾向となっています。そして、現在苦手としている2チームは、2014年にリーグ優勝を争った2チームでもあります。
天敵1:北海道日本ハムファイターズ
現在のホークスが最も苦手としているチームが、北海道日本ハムファイターズ。7月以降の8試合での成績は【2勝6敗0分・22得点/40失点】と散々な成績。
2勝は全て和田選手が先発しての勝利で、6敗中5敗が先発がノックアウトされての敗戦です。つまり、和田選手以外の先発ローテーションが悉くファイターズ打線の前に倒れているということになります。
そして、何よりも得点が奪えていません。7月以降のファイターズ戦いでホークスが4点以上を獲得したのは僅かに1試合のみ(ファイターズが4点以上獲得した試合は5試合)。特に加藤選手(4年目)・高梨選手(3年目)・有原選手(2年目)・加藤選手(1年目)といった若手投手陣と、それを支えるファイターズの選手会長・大野捕手の強気なリードの前に強力打線が振るいません。
天敵2:オリックス・バファローズ
前半戦は8勝1敗と大きく勝ち越していたはずが、7月以降一気に苦手チームとなってしまったのがオリックス・バファローズ。このチームの2枚看板である金子選手・西選手の前に強力打線が沈黙。
7月以降のバファローズ戦での成績は【3勝6敗0分・16得点/27失点】という状況で、とにかく得点が奪えません。特に西選手からは、7月以降1点もあげられていないホークス。コントロールの良い変化球中心の「打たせて取る投球」の前に完全に沈黙しています。
最近では守備の乱れも目立ち、失策が原因で試合を落とすことも出てきた福岡ソフトバンクホークス。ファイターズの押せ押せムードとは反対に、首位でありながら重苦しい雰囲気がベンチにも漂っているように感じます。ファンからも工藤監督の采配に対して厳しい意見が飛んでいるようです。
ホークスの圧倒的有利という状態から一転、熾烈な首位争いとなったパ・リーグ。現在2位のファイターズと3位の千葉ロッテマリーンズも8月の勝率リーグ1位(8勝5敗)で猛追しています。まさかのどんでん返しがあるかもしれません。
2014年の再来?今年はパ・リーグの順位争いから最後まで目が離せません!
【ドラゴンズファン】谷繁監督の解任は、暗黒時代の幕開けか?
こんばんは、グラブです。ドラゴンズファンです。
今回はドラゴンズファンとして書かずにはいられない「谷繁監督の解任」と、そこから次々と明らかになっている中日ドラゴンズの深い闇(?)に関する様々な情報について整理してみます。
8月9日、谷繁監督が「事実上の解任」
ドラゴンズファンのみならず、球界全体に大きな衝撃が走ることとなったこの事件。谷繁監督自身も当日の午前中に言い渡されたようで、当事者に取っても突然の出来事だったようです。まさに青天の霹靂。
2016年は球団創設80周年のメモリアルイヤー。しかし、8月9日時点で、中日ドラゴンズは48年ぶりの8カード連続負け越し(8月11日時点で9カード連続負け越しに更新)で、借金は「15」まで膨らんでいました。シーズン序盤に首位争いを繰り広げていた面影はなく、チーム全体に暗いムードが立ち込めています。
佐々木球団社長は谷繁監督の解任理由を聞かれると「後半戦に入ってファンからの強烈なメッセージが毎日寄せられて、ファンの忍耐もこれが限界かなと思わざるを得なかった」と語り、(ファンへの責任転嫁?とも取られる発言ではありますが)今回の解任(休養)はファン目線に立ったものであると主張。
・球団の歴代監督史上最速の200敗
・球団史上ワーストの4年連続Bクラス
・球団史上ワーストの同監督3年連続Bクラス
・球団ワースト記録の月間20敗
・48年ぶりの8カード連続負け越し
これらは全て谷繁監督が残した記録です。会見で「未来のドラゴンズが強くなるためにどうしたらいいかを全身全霊考えてやってきた」と語った谷繁監督ですが、成績は振るわず、不可解な起用も多くでファンの心も離れ気味。僕自身としても谷繁監督体制では上手くいかない(勝てない)と感じていました。しかし、4年契約ということもあり、残りの時間で若手の育成に注力して欲しいと思っていました。
▼48年前:1968年の中日ドラゴンズ
1967年はセ・リーグ2位でシーズンを終え、優勝を目指して臨んだ1968年。投手を補強し、万全と思われましたが…主力選手が悉く戦線離脱。これにより連敗が続き、杉下監督が80日という短命で休養。後任には本多代理監督が指揮を執るも成績は振るわずリーグ最下位。球団創設以来初めての「全球団に負け越し」も記録しました。
解任事件をきっかけに続々と明らかになる、チームの「闇」。
今回の解任劇が大きな話題となっている理由の1つに、この突然の発表会見をきっかけに、中日ドラゴンズが抱える数々の「闇」が明らかになってきたことがあげられます。メディアから発表される衝撃の内容。真相がわからないものも幾つかありますが、現在の中日ドラゴンズは、バックグラウンドの部分にも大きな課題を抱え、泥沼化していたのです。
(左)佐々木球団社長 / (中)落合GM / (右)白井オーナー
①谷繁監督は「4年契約」ではなかった!
谷繁監督が監督に就任する当初は、4年間の複数年契約であると発表されていました。若手の育成を中心に長期的なチーム再建を託されていたように見えましたが、実際は1年単位での更新契約であったことが、今回明らかになりました。
佐々木球団社長は「4年やってほしいという期待値」だったと説明しましたが…なぜ黙っている必要があったのか。フロント陣営に対するファンの不信感を増幅させることとなりました。
②谷繁監督と落合GMは2016年の1月以降会話をしていない?
落合GMと谷繁監督では「ドラフト」に関する考え方が大きく違うということは、予てから報道されていました。長期での育成を重要視し【高卒選手】の採用に積極的な谷繁監督に対して、落合GMはとにかく【即戦力】重視。その他のことにおいても考え方が異なる2者はお互いを信用していなかったようで、最後に会話をしたのは今年の1月だったという報道がありました。
落合GMが周囲に「オレなら今の戦力で優勝させている」と語っていたという噂もあり、そもそも谷繁監督を外したかったのかもしれません。GMと監督の仲が悪いチームでは、選手もやりづらいですよね…。
③谷繁監督は「編成」に口出しができない?
落合GMに絶対的な信頼を置いている白井球団オーナーは、チームの編成(新戦力の補強や一軍/二軍の昇降格など)については落合GMの意見を重視。ここで谷繁監督の意見は反映されていなかったとされています。
谷繁監督自身もドラフト会議について「下位指名になると、全然意見を言わせてもらえなかった」と周囲にこぼしていたようです。しかし、近年のドラフトで獲得した選手はなかなか活躍できておらず…両者の溝はますます深まったと思われます。
④平田選手に責任転嫁をするオーナー。
先日、平田選手がビシエド選手に対して投げかけられた心ないヤジに対して激怒するという事件がありましたが、白井オーナーはこの事件がきっかけで来場者が激減、チームが「ファンに見放されかかった」と説明。
この「ヤジ騒動」が発生したのは7月23日ですが、これがきっかけで観客動員数が減ったのかというと、夏休みにしては少ないということかもしれませんが、それまでと比較してもあまり変わりません。最下位というチームの状況を考えれば仕方がないことだと思います。むしろ、キャプテンとしてチームメイトを守る行動をしたと個人的には思いますが…これをオーナーが選手の責任とするのはいかがなものでしょうか。
⑤次々とフロント/コーチ陣営が去っていく?選手も…。
谷繁監督の会見時に、佐々木社長は「段階的に」として来年1月で契約が切れる落合GMを含めて、フロント幹部が責任を取ることも示唆。2017年シーズンに備えるにあたって大幅な人事改革が行われる可能性が有ります。
また、白井オーナーが責任転嫁の先として名前を挙げた平田選手や、フロント陣との関係性があまり良くないと言われている大島選手が今季FA権を獲得します。現在のチーム状況では、主力選手の流出の可能性はかなり高いと思います。単年契約の助っ人も、他チームへの移籍・帰国ということがあるかもしれません。
平田選手・大島選手については西山球団代表自ら「必至で食い止める」と話していますが…。
⑥球団収入を中日新聞社が搾取している?
2014年に中央調査社が発表したデータでは、12球団中4番目にファン数が多いと言われる中日ドラゴンズ。しかし、球団収入はファン数5位の福岡ソフトバンクホークスに2倍以上の差をつけられています。このような状況から、球団人気と比較して収入が少ないのは中日新聞社が搾取しているから?という噂も出てきています。
収入が少なくては、経費・年俸削減の動きは今後も続いていく可能性が高そうです。苦しいチーム状況にもかかわらず、選手の待遇が上がっていくイメージがないままでは、既存選手のモチベーションも上がりませんし、新しい選手にも「入団したい」と思ってはもらえません。
⑦苛立つファン。新人事は決まるのか。
8月10日の球団関係者の話として「(8月9日は)電話の本数がいつも以上に多かった。『谷繁監督を辞めさせて、何で落合GMを辞めさせないのか』が圧倒的多数。逆に『森ヘッドコーチでなく落合GMに監督代行を任せろ』という少数意見もあった」と、スポーツ報知が発表しています。谷繁監督の解任が「ファン目線」ということであれば、落合GMの解任も早々に…と言いたいところですが、どうなるのでしょうか。
また、解任は決してゴールではなく、次の人事が決まらなければ(それを誰が決めるのかも問題ですが)、チームは生まれ変われません。
⑧結局、落合GM頼み?
8月9日の会見では「監督人事は白井オーナーと私と西山球団代表で決定する」と話していた佐々木球団社長ですが、改めて8月11日に監督人事の進展について問われると「私は専門家じゃない。素人なので分かりません」と落合GMの提案を全面的に受け入れる方針を示唆しています。
それまで1度も一軍の試合を現場で観戦することのなかった落合GMが8月10日・11日と連続して現場観戦。一部では谷繁監督が退任したから見に来るようになったという意見も。
実際のところはわかりませんが、谷繁監督の辞任によってますます落合GMの権限が増しているように感じます。
8月11日には、山田選手を含め複数の主力選手を欠いている東京ヤクルトスワローズにもカード負け越しを記録した中日ドラゴンズ。打てない・守れない、その上バックグラウンドも問題が盛りだくさんでは…未来は明るくありません。
現在のチーム状況は、決して谷繁監督や選手の責任だけではないはず。監督・選手を支えるべきフロント陣営も、自らの姿勢を見直すタイミングにあるのではないでしょうか。チーム内の問題でもめているようでは、成績も付いてくるはずがありません。
しかし、フロント側が責任を取るイメージは湧きません。谷繁監督の解任はただの始まりに過ぎず、深い闇を抱えたチームはこのまま暗黒時代に突入する(すでに突入している)のではないかと、悲しい気持ちになってお酒が進むのでした。
頑張れ、ドラゴンズ…。